【通知表に一喜憂するママへ】
成績の「〇」より大切な、先生からの隠れメッセージの見つけ方
    今回の相談者
        名前: えみさん
        年齢: 35歳
        職業: パート主婦(小学2年生の息子さんを持つママ)
くりぱち先生、こんな悩みがあります!
        先日、息子が通知表をもらってきたのですが、その内容を見てからずっとモヤモヤしています…。思ったより「よくできる(◎)」が少なくて、「できる(〇)」ばかり。所見に書かれていることも、なんだか当たり障りのないことばかりで…。
        周りのお友達はもっと評価が良いんじゃないか、うちの子だけ何か問題があるんじゃないかと、不安でたまりません。先生は、うちの子のことを本当はどう思っているのでしょうか。通知表を見るたびに、ため息が出てしまいます。
通知表を見て、正直がっかりしてしまって。息子の頑張りが足りないのかなって、つい叱ってしまいそうになるんです。
通知表の結果に、心がザワザワしてしまうお気持ち、親として痛いほどよく分かりますよ。
そうはいっても、やっぱり「〇」ばっかりだと、このままで大丈夫なのかなって…。周りの子と比べてしまって、焦るんです。
そのお気持ち、よく分かります。でも、もし私が「通知表の評価なんて、ほとんど気にしなくていいですよ」と言ったら、どう思いますか?
えっ…?気にしなくていいなんて、そんなことないですよ!だって、学校での成績じゃないですか。
実は、今の通知表って、昔と違ってすごく分かりにくい仕組みになっているんです。
例えば体育でも、跳び箱は苦手だけど徒競走は得意、という子がいたとします。昔ならそれぞれ評価がつきましたが、今はそれらがごちゃっとまとめられて、「運動の技能」という一つの観点で評価されたりします。
そうなんですか!?じゃあ、何が得意で何が苦手なのか、通知表だけじゃ分からないってことですか?
その通りなんです。
だから、「◎」が少ないからといって、お子さんの頑張りが足りないわけでは決してありません。評価の仕組みの問題であることがほとんどなんですよ。
仕組みの問題…。そう言われても、やっぱり気になります。
それに、文章で書かれている所見も、「自分のペースでじっくり取り組めます」って…。これって、遠回しに「行動が遅い」って言われてるんじゃないかって、深読みしちゃって…。
なるほど。そのように感じてしまわれたのですね。
先生という生き物は、保護者の方を傷つけないように、言葉をオブラートに包むプロなんです(笑)。
やっぱり!じゃあ、本当はマイナスの意味なんですね・・!
落ち着いてください、えみさん。
先生の言葉を翻訳してみましょうか。
「自分のペースでじっくり取り組める」
というのは、
「周りに流されず、物事の本質を理解しようとする力がありますね。時間はかかるけど、その分、深く学べている証拠ですよ」
という、素晴らしい長所を伝えているんです。
え…!そうなんですか?
全然、そんな風に受け取れていませんでした。
先生は、限られた文字数の中で、できるだけポジティブな言葉を選んで、お子さんの良いところを伝えようと頑張っているんです。
だから、直接的なマイナス表現がなければ、それは全部「長所」と受け取って大丈夫ですよ。
そうだったんですね…。
でも、具体的なエピソードが少なくて、当たり障りのないことしか書かれていなかったら、それは先生に興味を持たれていないってことじゃ…。
実は、その逆なんですよ。
私の経験上、「所見に何を書こうか困る子」というのは、「クラスにとってなくてはならない、問題のない素晴らしい存在」であることがほとんどなんです。
ええっ!?どういうことですか?
先生の記憶に強く残るのは、やはり何かしらの「事件」があったお子さんなんです。
毎日コツコツ真面目に過ごし、お友達ともうまくやっているお子さんは、担任として本当にありがたい存在ですが、ドラマチックなエピソードは生まれにくい。
だから、もし所見がシンプルだったとしたら、それは「この一年、あなたが何の問題もなく、安心して学校生活を送ってくれた証拠だよ。ありがとう!」という、担任からの最大級の感謝のメッセージだと思ってくださいね。
最大級の…ありがとう…。
そうだったんだ。私、全然わかっていませんでした。通知表の「〇」の数や短い言葉に、勝手に落ち込んで、息子を疑うところでした…。
大丈夫ですよ。えみさんが、それだけ真剣にお子さんと向き合っている証拠です。
これからは、通知表を「成績表」ではなく、「先生からの隠れメッセージがふんわりただよう紙」くらいに気軽に眺めてください。
きっと、今まで見えなかった息子さんの素敵な姿が、たくさん見つかりますよ。
まとめ
通知表の評価に、つい一喜憂していませんか?
その評価の裏には、先生からの温かいメッセージが隠されています。
今日のポイントを3つにまとめます。
- 評価の「〇」は気にしない!今の通知表は仕組みが複雑
 複数の単元がまとめられて評価されるため、「〇」が多いからといって、子どもの頑張りが足りないわけではありません。評価の数に振り回されないようにしましょう。
- 先生の言葉はポジティブ翻訳!所見は「長所」の宝庫
 先生は、保護者を傷つけないよう、言葉を選んで長所を伝えようとしています。「マイペース」は「深く学べる力」のように、ポジティブに受け取りましょう。
- 「書くことがない」は最高の褒め言葉!
 所見がシンプルでも、がっかりする必要はありません。それは「問題なく、安心して学校生活を送ってくれた証拠」という、先生からの静かで最大の感謝のメッセージです。
通知表は、子どもを評価するためのものではなく、
その子の成長を親子で一緒に喜ぶためのツールです。
これからは、先生からの「隠れメッセージ」を探す気持ちで、通知表を開いてみませんか?
 

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